日吉大社は、184年(崇神天皇7年)に創祀された全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮。
平安京の鬼門である東北に位置することから都の魔除・災難除を祈る社として、教大師が比叡山に延暦寺を開かれてからは、天台宗の護法神として多くの方から崇敬を受けている神社です。
その日吉大社の境外末社の日吉東照宮は、日光東照宮の雛形と言われています。
今回は5月中旬に日吉大社と日吉東照宮を参拝した記事となります。
では、お参りしよう
場所・アクセス
日吉大社、日吉東照宮は比叡山延暦寺坂本エリアと同じ場所にあります。
最寄駅のJR湖西線比叡山坂本駅から徒歩約20分、京阪電車石坂線坂本比叡山口駅から徒歩約15分。
駐車場も完備しています。
駐車場は有料と表記され入口で500円の支払いが必要ですが、実はこれ拝観料。
車でなければ、神社の東西の受付で500円の拝観料を支払うので、実際は駐車場無料という事になります。
日吉大社
境内には約40の社があり、全ての神様を総称して「日吉大神」と呼びます。
また、多くの社の中心となるのが東西本宮をはじめとする山王七社です。
参拝時間
日吉大社は西本宮、東本宮、三宮のエリアに分かれます。
西本宮⇔東本宮の参拝時間は約30分程度。
これはただ参拝するだけで、景色を堪能したり、建物をじっくり観察すなるなどすると、1時間はほしいでしょう。
今回筆者は参拝に行きませんでしたが、三宮へは境内の登山口から約1kmほど八王子山を登っていき、片道約30分程かかるそうです。
また表参道から鳥居をくぐり境内に入るのが筆者の参拝スタイル。
車で訪れた筆者は駐車場からすぐに境内に入れますが、筆者は境外へ行き、表参道から境内に向かいます。
ちなみに日吉大社 一の鳥居はマップより外のエリアにあります。
注意事項としては受付からの出入りになるの為、駐車場で支払った拝観チケットを見せ、一旦外へ出ることを説明し、戻った際もチケットを見せる必要があります。
日吉大社赤鳥居→西本宮→東本宮→駐車場のルートで筆者は1時間半かけて参拝しました。
日吉大社 一の鳥居、二の鳥居
日吉大社 一の鳥居、二の鳥居は駅から日吉大社へ向かう道路にあります。
一の鳥居はJR比叡山坂本駅から、二の鳥居は京阪比叡山口駅から出たところにあります。
日吉大社赤鳥居
この赤鳥居から日吉大社境内に入ります。
鳥居をくぐると、右手に求法寺(ぐほうじ)が見えてきます。
求法寺は元三大師良源が比叡山に上る際に立ち寄った場所に建てられたお寺で、ご本尊は元三大師実作の像。
説明板にはおみくじ大師と案内があります。
比叡山延暦寺横川エリアには、元三大師信仰の中心拠点で、春夏秋冬に軽天の講義が行われていることから四季講堂と呼ばれる堂宇があり、おみくじ発祥の地となっています。
大宮橋
大宮橋は木造橋の形式をそのまま石造りで作られた反橋。
1573~92年(天正年間)に豊臣秀吉が寄進したと伝えられ、1669年(寛文9年)木橋が石橋に掛け替えられています。
1917年(大正6年)、日吉三橋(他に走井橋、二宮橋)の一つとして、国の指定文化財となりました。
山王鳥居
神仏習合の信仰を表す独特な形をした山王鳥居は「合掌鳥居」とも呼ばれてます。
神猿(まさる)
山王鳥居をくぐると右手に猿が入っているオリがあります。
猿は神様の使いで「神猿(まさる)」と呼ばれ、日吉大社は平安京の鬼門(北東)「猿ケ辻」と呼ばれ方位の「魔が去る」や何よりも「勝る」として縁起の良いものとされています。
あくまでも筆者の感想ですが、「もっと大きくて広いオリにできないかな?」っと感じました。
西本宮 楼門
1917年(大正6年)国の重要文化財に指定されている西本宮楼門。
正確な造営時期は不明とのことですが、1586年(天正14年)と推定されています。
楼門(ろうもん)とは 2階建ての門で、一階部分に屋根(下屋)を持たない門の総称で、 2階部分には高欄が配置されている物が一般的です。
楼は、「高く構えた2階建ての建物」を表します。
軒下の4隅には「軒持ち猿」と呼ばれる猿が、屋根を支え楼門を守っています。
西本宮 本殿
国宝に指定されている西本宮本殿。
織田信長の比叡山焼き討ちですべての社殿が焼失しましたが、西本宮は最も重要な神様であったっため、信長の死後(1582年)1586年(天正14年)に再建されたのが現在の本殿となります。
西本宮から東本宮へ
西本宮~東本宮には多くの社があり、御朱印のある社もあります。
この間をじっくり参拝すると、約20分程度かかりました。
東本宮 楼門
1923年(大正12年)国の重要文化財に指定されている東本宮楼門。
1573~1593年(天正~文禄2年)にかけて建てられました。
東本宮 本殿および拝殿
1961年(昭和36年)国宝に指定されている東本宮本殿は、1595年(文禄4年)に建てられました。
1964年(昭和39年)国の重要文化財に指定されている東本宮拝殿は、1596年(文禄6年)頃に建てられました。
この日は拝殿で和太鼓バトルが開催されていました。
御朱印
御朱印は西本宮、東本宮の授与所で頂けます。
御朱印帳へ直接書いてもらえるのは日吉大社のみで、他は一枚書きになります。
初穂料は500円です。
日吉東照宮
日吉大社から徒歩約10分のところにある日吉東照宮。
明治以前は比叡山延暦寺が管理をしていましたが、明治時代に入り神仏分離令により日吉大社の管理する境外末社となりました。
社殿内部拝観は土日祝のみ 拝観料300円
土日祝は拝観料300円で社殿内部拝観できます。
表参道
日吉大社から日吉東照宮まで徒歩約10分で行けます。
日吉東照宮近くに公共の駐車場がありますが、時間があれば神聖な神社仏閣エリアである坂本の街並みを散策するのをお勧めします。
表参道は階段になります。
鳥居をくぐってからも、階段が続きます。
階段を上りきると、琵琶湖を望む景観が待っています。
唐門
1956年(昭和31年)国の重要文化財に指定されている唐門と透塀。
唐門の中に入れるのは土日祝のみで、内部拝観料(300円)です。
社殿
1623年(元和9年)比叡山の麓に造営された日吉東照宮。
1624~1644年(寛永年間)に徳川三大将軍家光によって、ほとんどの社殿群が建て替えられています。
現在の社殿は1634年(寛永11年)に造営されたもので、1929年(昭和4年)国宝、1950年(昭和25年)国の指定重要文化財に指定されました。
天海上人が造営した日吉東照宮は本殿と拝殿を繋ぐ「権現造り」という様式を採用。
世界遺産である日光東照宮の現社殿は、日吉東照宮の2年後1636年(寛永13年)徳川家光が全面的につくりかえたもの。
日光東照宮は、その素晴らしく見事な日吉東照宮社殿の様式を雛形にしたと言われています。
日光東照宮の雛形とされるだけあって、その雰囲気が感じられます。
社殿には様々な動物が彫られており、社殿正面屋根下にはとら、うさぎ、たつがにいます。
徳川家康がとら年、秀忠がうさぎ年、家光がたつ年だからと言われています。
日光東照宮と言えば三猿。
日吉東照宮にも猿はいました。
日吉東照宮では内部撮影もOKです。
外部と誓って内部は色あせがなく、鮮やかな社殿内部です。
御朱印
平日は日吉大社で1枚書き対応ですが、社殿の内部回覧ができる土日祝は、御朱印帳に御朱印を頂けます。
まとめ・感想
っと言う感じで「日吉大社」と「日吉東照宮」を参拝しました。
比叡山延暦寺の坂本エリアにあることから、延暦寺や天台宗とも深い関係があり、平安京の魔除・災難除を祈る神社に神仏習合の歴史を感じました。
日吉東照宮の御祭神は徳川家康と言う実在の人物の他、「日吉大神」、「摩多羅神」と言う神様。
実在の人物を祀って御祭神にする神社はありますが、神様と一緒に並ぶって何となくすごい。
ちなみに日光東照宮の主祭神は徳川家康。
配祀神として、左神豊臣秀吉、右神源頼朝が祀られていますが、。これは明治維新に後祭神の変更があったそうです。
御祭神って変更するんだ
明治維新以前は、「左神は山王神、右神は摩多羅神」でしたが、「明治以前より、山王は秀吉、摩多羅神は頼朝」説があるようです。
神社仏閣は数多くの所説があり筆者には理解不能ですが、細かいことはさておき、歴史を感じながらお参りする神社仏閣巡りは楽しいものです。
おわり
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