奈良にある大神(おおみわ)神社は日本最古の神社といわれており、ご神体は標高467mの三輪山(みわやま)です。
大神神社のご祭神・大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が三輪山に鎮まるために、大神神社には本殿がなく拝殿を通して三輪山を拝む原初の神まつりの姿を留めています。
以前は三輪明神が社名で、明治に改名し大神神社となったようです。
中世以降は三輪明神と呼ばれ、両部神道の一つ三輪神道の本拠地であった。
明治時代になり「大神神社」と改名された。旧来は美和乃御諸宮、大神大物主神社と呼ばれた。
引用元:ウイキペディアより
公式サイトで確認すると、正式名称は「大和国一之宮 三輪明神 大神神社」と記載されています。
引用元:三輪明神・大神神社ウエブサイトより
筆者の地元広島の三輪明神広島分祀があり、以前から本社の三輪明神大神神社へお参りをしたいと思っており、今回実現に至りました。
今回2023年10月28日にお参りした大神神社紹介します。
では、お参りしましょう
日本最古の神社の一つ
大神神社は日本最古の神社と言われています。
当社の創祀に関わる伝承が『古事記』や『日本書紀』の神話に記されています。
~中略~
この様に記紀の神話に創祀の伝承が明瞭に記されていることは貴重なことで、ご祭神がお山に鎮まるために、当社は古来本殿を設けずに直接に三輪山に祈りを捧げるという、神社の社殿が成立する以前の原初の神祀りの様を今に伝えており、その祭祀の姿ゆえに我が国最古の神社と呼ばれています。
引用元:三輪明神大神神社ウエブサイトご由緒より
正確な年月は不明ですが、「「古事記」や「日本書紀」に記されている。」「神社に社殿の無い時代の祭祀を行っている」という事で、日本最古の神社とされているのでしょう。
ちなみに諸説いろいろありますが、日本最古の神社と呼ばれている神社は他にもあります。
- 兵庫県淡路島:伊弉諾神宮
- 福岡県宗像市:宗像大社
- 福岡県筑前町:大己貴神社
- 熊本県山都町:幣立神宮
- 三重県熊野市:花の窟神社
どの神社が日本最古の神社なのかは分かりませんが、大神神社はトップクラスの古い神社という事は間違いないでしょう。
ご祭神・大物主大神と三輪山
大神神社のご祭神・大物主大神(おおものぬしのおおかみ)は三輪山に鎮座されており、その為三輪山がご神体となっています。
『古事記』によれば、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)の前に現れ、国造りを成就させる為に「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」と三輪山に祀られることを望んだとあります。
三輪明神大神神社ウエブサイトご由緒より
『日本書記』でも同様の伝承が語られ、二神の問答で大物主大神は大国主神の「幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)」であると名乗られたとあります。
そして『古事記』同様に三輪山に鎮まることを望まれました。
三輪明神大神神社ウエブサイトご由緒より
『古事記』、『日本書紀』ともに大物主大神が三輪山に祀られているとされています。
ただ『古事記』では大物主大神は大国主神は別の神様ですが、『日本書紀』では、大物主大神が大国主神の「先魂・奇魂」と名乗っていることから、同一の神様つまり大物主大神は大国主神の別名となります。
別の神様であろうが同一の神様であろうが、大物主大神自身から三輪山に鎮座されたということには違いがありません。
国の重要文化財 拝殿と三ツ鳥居
大神神社の拝殿と三ツ鳥居は国の重要文化財に指定されています。
拝殿は鎌倉時代に創建されたことが文献にあるそうで、現在の拝殿は1664年寛文4年、江戸幕府4代将軍徳川家綱によって再建されています。
拝殿の後ろにはご神体の三輪山があり、拝殿と三輪山を区切る場所に三ツ鳥居(みつとりい)が立っています。
三ツ鳥居とは鳥居の様式の一つで、1つの明神鳥居の両脇に小規模な2つの鳥居を組み合わせた鳥居のことで、別名三輪鳥居(みわとりい)とも言います。
三ツ鳥居は本殿に変わるものとして神聖視されており、参集殿で拝観の申し込みができます。
参集殿は「なでうさぎ」がある後ろの建物です。
大神神社には鳥居が3基あり、3基目が三ツ鳥居な為、「三ツ鳥居は3基目の鳥居」って勘違いする人がいるような気がしますwww
一の鳥居は国道169号線そばに建っています。
その一の鳥居は日本一の大鳥居で、高さ32、2メートル、柱間23メートルの偉容を誇り、材質は耐候性鋼板、耐久年数1、300年と言われています。
二の鳥居をくぐると、参道となり拝殿に向かいます。
二の鳥居から大神神社の境内になります。
なでうさぎ
参集殿前には「なでうさぎ」と呼ばれるうさぎが迎えてくれます。
このうさぎを撫でると、運気アップやなでた部分の体の痛みをもとってくれるご利益があると言われています。
なぜ「なでうさぎ」が置いてあるのでしょうか?
大神神社のご祭神は大物主大神は大国主神と同一視されており、大国主神は「因幡の白うさぎ」を助けたことでも知られています。
そのことからも兎と縁が深く、「なでうさぎ」が置いてあるのかもしれません。
ご神木と杉玉
大物主大神の化身の白蛇が棲むことから「巳の神杉」と名付けられたご神木
大神神社のご祭神大物主大神は酒の二大神のうちの一神。
もう一神の少彦名神(すくなひこなのかみ)も大神神社に祀られています。
このことから、大神神社は酒造りと深い関わりがあります。
例年11月14日に、「酒の神様」「醸造の祖神」と仰がれるご神徳を称えて、新酒の「醸造安全祈願祭(酒まつり)」が行われます。
また13日の午前9時頃から、拝殿・祈祷殿向拝の大杉玉(直径約1メートル50センチ、重さ約200キロ)が杉の緑の色も鮮やかに新しく調製されます。
また祭典に併せて南西廻廊において11月14日まで「全国銘酒展」を開催。
引用元:三輪明神大神神社ウエブサイトより
日本酒の酒蔵の前に吊り下げられている杉玉は、作りたては青々としており「今年も新酒ができました。」と言う印。
それが徐々に茶色に変化していきます。
三輪は酒造りと杉玉の発祥の地と言われており、酒蔵の軒先に吊るされている「杉玉」は大神神社から全国の酒蔵に届けられているそうです。
もちろん独自で杉玉を準備している酒蔵もあります。
御朱印
「大和国一之宮」「大神神社」と記され、朱印は「大和三輪山」「大神神社」です。
駐車場・アクセス
駐車場はかなりの第一から第六まであり、国道169号線から一の鳥居・大鳥居をくぐった後、JR桜井線の線路まで左右にあります。
かなりの台数が駐車できますが、初詣などは国道に出るまで大渋滞すること間違いないでしょうね。
大神神社へは電車でも行け、最寄り駅はJR桜井線(万葉まほろば線)三輪駅より徒歩5分です。
他にJR桜井線・近鉄大阪線 桜井駅や天理駅から二の鳥居までシャトルバスで約20分で行くことができます。
ただし土日祝(毎月1日、年末年始除く)のみの運行で、桜井駅行きと天理駅行きは別々なので注意が必要です。
摂社・末社
大神神社には境内、境外に摂社・末社がざっくり30~40社ほどあるそうです。
その中でも御朱印を頂ける摂社と末社があります。
狭井神社(さいじんじゃ):三輪山登拝口
狭井神社は、大神神社のご祭神大物主神の「荒魂」を狭井神社のご祭神「大神荒魂神」として祀られており、「狭井坐大神荒魂神社(さいにますおおみわのあらみたまじんじゃ)」が正式名称のようです。
大神神社の境外摂社・狭井神社はとても重要な神社で、多くの参拝者が向かいます。
なぜなら狭井神社は三輪山登拝の入口だからです。
登拝入口
三輪山登拝は往復約2時間かかるそうですが、様々な注意事項があります。
・飲食禁止(水分補給は除く)
・トイレはないので、事前にすます。
・写真禁止
・不要な会話はしない
・神聖な場所なので、ハイキングやピクニック気分で登頂しない。
他にも注意事項はあると思いますが、三輪山はご神体ですから注意事項は遵守してくださいね。
神社ですので拝殿があり、普通に参拝ももちろんできます。
三輪山から湧き出た御霊水は万病に効くとされ、拝殿横で御神水として飲むことができます。
大量でなければ、持ち帰りもできます。
持ち帰り用の入れ物が無い場合は、社務所で購入できます。
御朱印
久延彦神社(くえひこじんじゃ):知恵の神様
久延彦神社のご祭神は、「古事記」に世の中の事をことごとく知っている知恵の神様・久延毘古命。
参道から1基目鳥居をくぐり階段を上り、2基目の鳥居をくぐってさらに階段を上って拝殿に向かいます。
御朱印
まとめ・感想
っという感じで、三輪明神大神神社を参拝しました。
三輪明神広島分祀は山の上にあり、筆者は幼い頃から庭の様に行っては広島市内の展望を見ていました。
写真では分かり難いですが、桜の向こうが広島市内です。
本社の三輪明神大神神社も境内の展望台から奈良盆地が一望でき、初めて参拝したとは思えない感覚になりました。
自然豊かでご神体でもある三輪山が拝殿の後ろに構える大神神社は、何とも言えない空気を感じます。
大神神社と三輪山を訪れる際は、ぜひ時間をかけてゆっくりと参拝してみてください。
今回、筆者は三輪山登拝を行いませんでしたが、次回は行うつもりです。
日本の神秘と歴史を感じることができるでしょう。
おわり
2023年12月17日 追記
筆者の地元広島の三輪明神広島分祀をお参りし、大神神社と並んで御朱印を頂きました。
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