筆者は読書好きと言うほどではありませんが、会社員時代はビジネス書が中心にはなりますが、月1~2冊ほど本を読んでいました。
その後のゲストハウスオーナー時代は、年4~5冊程度まで減少。
そしてリゾートバイト中の現在、再び読書熱がでてきて、常時文庫本を2冊程度持ち歩いています。
2024年5月、筆者のリゾートバイト先は滋賀県の雄琴温泉でした。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2024/08/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-300x225.jpg)
その際、地元の書店で手に取ったのが、2024年4月本屋大賞を受賞した宮島未奈さんのデビュー作「ありがとう西武大津店」を含む全6編の短編集『成瀬は天下を取りにいく』でした。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2025/02/4faf24bd8934656824f7844683b90487-768x1024.jpg)
地元滋賀県では大きな話題となっており、シリーズ2作目『成瀬は信じた道を行く』も発売されていました。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2025/02/7bde2ef6b875213846dae5bd4e923f25-1024x768.jpg)
成瀬は信じた道をいく
今回は滋賀県にちなんだ成瀬シリーズ2作のレヴュー記事です。
作品の概要
成瀬は天下を取りにいく
『成瀬は天下を取りにいく』は、滋賀県大津市を舞台に、中学生の成瀬あかりを中心とした連作短編集。
彼女の成長と、彼女を取り巻く人々との関わりが描かれており、特に、閉店間近の西武大津店に毎日通う姿や、M-1グランプリへの挑戦など、瑞々しい青春の一コマが印象的です。
成瀬は信じた道をいく
前作『成瀬は天下を取りにいく』の続編として2024年1月24日に刊行され、滋賀県大津市を舞台に、主人公・成瀬あかりと彼女を取り巻く人々の物語の連作短編集。
全5編から成り、成瀬あかりの独特な行動や個性が、周囲の人々の生活に影響を与える様子が描かれています。
例えば、小学生との交流や、父親との関係、地元の観光大使としての活動など、さまざまなエピソードを通じて、成瀬あかりの人間性と彼女を取り巻く人々の成長が描かれています。
作品の魅力
本作の魅力は、主人公・成瀬あかりの視点を通じて、滋賀県の風景や人々の暮らしが生き生きと描かれている点。
作者・宮島未奈さんの滋賀県への深い愛情が感じられ、地元の文化や風土が物語に豊かな彩りを添えています。
また、成瀬あかりの独特な言動や名言が物語にリズム感を与え、読者を引き込みます。
彼女の行動力と発想力は、筆者に不思議な爽快感をもたらし、物語をテンポ良く読めました。
さらに、成瀬あかりと周囲の人々との関わりを通じて、日常の中に潜むドラマやユーモアが描かれ、筆者は深い共感と感動を感じました。
不思議に作品と縁を感じた
膳所駅
作品のキモとなる膳所(ぜぜ)駅。
作品の主人公・成瀬あかりと友人・島崎みゆきが結成した漫才コンビ名がゼゼカラ。
コンビ名の由来は、彼女たちの地元の膳所駅に近いことからと漢字では読みづらくカタカナに。
ただJR琵琶湖線(東海道線)と京阪石山坂本線の膳所駅二つが隣接しています。
JR膳所駅近くには筆者が会社員時代に担当していた顧客があった為、よく利用しており、当時(1994~2003年)とは駅が見違えるほど、大きく綺麗になっていましたw
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2025/02/3f2db6710586338073039084784166ab-1024x768.jpg)
JR膳所駅構内には成瀬あかりがお出迎えするイラストがありました。
「膳所から来ましたゼゼカラです」言ってからからネタを開始、その後は「膳所から世界ヘ!ゼゼカラです」に変わりました。
それをもじった「世界から膳所へ!」がイラストに書かれていました。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2025/02/59abcac1732f377833070f21d7379f40-1024x768.jpg)
作品では膳所駅としか表示していませんが、おそらく京阪電車の膳所駅を言ってると推察します。
なぜなら、成瀬あかりが通った膳所高校や友人の島崎みゆきが通った大津高校、ときめき坂に馬場(ばんば)公園は全て京阪電車側にあるので、日常的に膳所駅と言えば、京阪電車側になると思います。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2025/02/9a6b88ab93f56b6d284ec20347fa6636.jpg)
以前訪れたことのある朝日将軍・木曽義仲が眠る義仲寺の最寄り駅は京阪膳所駅側にあり、何となく膳所駅には縁を感じますね。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2019/02/P2031042-800x600-300x225.jpg)
百人一首
成瀬あかりは高校ではかるた部に入り、近江神宮での第四十五回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会に出場します。
近江神宮を参拝したことがあるのはもちろん、リゾートバイトで持ち歩いている文庫本の一つが百人一首。
![](https://fushinuya-uchi.com/wp-content/uploads/2021/02/2fe2f358168d286baf9c5c6d88929cb8-300x225.jpg)
広島県から出場し高校生が成瀬あかりに一目ぼれ。
筆者の地元が広島だし、日常とまで言わないけど時々読む百人一首と、作品の具体的な地名や場所と縁があると感じ増した。
まとめ・感想
本屋でたまたま見かけた『成瀬は天下を取りにいく』。
リゾートバイトを通じて訪れた滋賀県の地元作家の作品に触れてみようと思って読んだのですが、面白くて読みやすかったので、2作目の『成瀬は信じた道をいく』まで読みました。
主人公・成瀬あかりはかなりかわったキャラ設定で、例えば「200歳まで生きる」「大津にデパートを建てる」など、スケールの大きな夢を語り、そのための努力を惜しまない人物として描かれています。
筆者も「銀河鉄道999、ターミネーターのような機械に支配される世界」「猿の惑星のような世界」「ガンダムのようにコロニーができ宇宙に人類が住む世界」「北斗の拳のように核戦争後力の世界」など、将来どうなるのか知りたい・見たいと思うことがあり、友人に200歳ぐらいまで生きてみたいといった事があり、そこに共感を得たことで個人的に性に合った本だったのかもしれません。
また『成瀬は天下を取りにいく』で検索すると、聖地巡礼のSNSや記事が多くありますが、筆者は作品が誕生する前から、膳所駅、近江神宮など聖地巡礼をしていたみたいで、作品に親近感が湧きましたwww
一風変わったキャラ成瀬あかりが地元の中学高校大学までの生活や成長を描いた物語なので、青春の瑞々しさや葛藤が丁寧に描かれており、「青春小説が好き」や「滋賀県に興味ある」、「個性的なキャラを楽しむ」などを求める方にはお勧めの一冊です。
おわり
コメント