ラーメンのようで、宮古そば。鶏白湯スープと自家製麺が決め手の一杯
宮古島市街地から少し離れた面前がキビ畑の県道沿いにある【中休味商店】。
昼どきには観光客だけでなく、地元の常連客も多く訪れる人気の食堂です。
宮古島では過去2回「宮古そば総選挙」が行われており、2021年の「私の推し麺~宮古そば総選挙~」で、中休味商店が1位になりました。
ちなみに「第2回宮古そば総選挙2024」では、川満食堂が1位となっています。
今回は、2025年7月下旬にそば2品を堪能した「中休味商店」を紹介します。
特徴的な出汁とこだわり自家製麺
沖縄そばの出汁と言えば「カツオ」や「豚骨」。
中休味商店ではカツオ出汁、豚骨出汁もありますが、人気を博しているのは「「鶏出汁の白湯スープ」なんです。
中休味商店の鶏白湯スープは、鶏ガラを7~8時間煮込んだ白湯スープをベースに、宮古島産カツオ、野菜、しいたけの出汁を合わせています。
この「鶏白湯スープ」は濃厚で、新感覚の沖縄そばの出汁。
筆者は、まるでラーメンをたべてるような感覚になりました。
出汁に良く絡んで美味しく頂けるの麺は、時間をかけて3層に製麺し、コシにこだわった自家製。
この写真をみれば分かるように、中休味商店は自家製に相当こだわっているようです。

スタッフの方に「製麺失敗で休みにしたって、ホント?」って尋ねると、実際に休んだことがあるそうです。
そばを注文する際は、ビョウ麺(細麺)とウダグ麺(太麺)の選択できます。
何も言わなければ、ウダグ麺(太麺)ですが、麻婆麺、宮古辛まぜ麺、担々麵の3種はちぢれ麺になります。
グルメリポート
鶏パイタンそば 950円(税込)
筆者が注文したのは、店内でも一番人気と評される限定メニュー「鶏パイタンそば」。
泡立つほど白濁した鶏白湯スープに、茹でたての自家製麺が合わさった一杯です。

トッピングには、コリコリとした食感が楽しいキクラゲ、シャキシャキのネギ、そしてカリッと揚げられたフライドオニオンのような香ばしい揚げ麺が乗っています。
この揚げ麺がスープに浸ると、また異なる食感が楽しめ、味と食感のアクセントになっています。

そして一口目から感じたのは、濃厚なのにまろやかで飲みやすいスープの旨み。
鶏の旨味が凝縮された濃厚な白湯スープが口いっぱいに広がり、その奥深さに驚かされます。
鶏の出汁がしっかり効いていながら、塩味はやさしく、後味は軽やか。
見た目にも美しい泡立ちが食欲をそそる鶏白湯スープです。

麺は、お店のこだわりが詰まった自家製麺のウダグ麺(太麺)。
自家製麵のウダグ麺(太麺)は、もちもちとした食感で、濃厚なスープによく絡み、食べ応えも抜群でした。

具材が麺の下に隠されているのが、宮古そばの特徴の一つ。
具材を麺の下に隠す理由としては、諸説ありますが、贅沢をしているように見られたくなかったという説や、具材の乾燥を防ぐためなどがあります。
麺の下側を確認すると、しっかり煮込まれた大きな三枚肉が麵の下から現れました。
大きな三枚肉は、箸で持ち上げるだけでほろりと崩れるほど柔らかく煮込まれています。

三枚肉はしっかりと味が染み込んでおり、濃厚な白湯スープとの相性も抜群で、大きな満足感が。
筆者は沖縄そばというより、ラーメンの感覚で食べていたので、コーレクースを入れずに完食。
ラーメン好きの方にもきっとご満足いただける、完成度の高い一杯でした。
元祖宮古そば 750円(税込)
「中休味商店」の看板メニュー、元祖鶏宮古そばもいただきました。
元祖鶏宮古そばは、鶏ガラと宮古島産の鰹節を使ったスープと自家製麺が組み合わさった一杯です。

鶏ガラと鰹節が合わさった旨味のある白湯スープは、ほどよい濃厚さで優しい味わい。
濃厚なんだけど、毎日でも食べたくなるような軽さ。
派手さはありませんが、じんわりと旨味が広がる、飲み飽きない仕上がりの白湯スープです。

今回も鶏パイタンそば同様、麺のチョイスをしなかったので、ウダグ麺(太麺)です。
もちもちのウダク麺は、つるりとした喉越しと弾力のある食感で、白湯スープによく合います。

パッと見はとてもシンプルですが、具材は麺の下に隠れているのが宮古そば流。
レンゲで麺をよけると、大きな三枚肉がスープの中から現れました。

一通り味わったあと、紅しょうがとコーレクースを加えて食べましたが、なんかしっくりきませんでした。
そこで、卓上装備にあったニンニクを加えると、これが見事に大ハマり。
「めっちゃ、美味しい」の一言。
白湯スープにニンニクって相性抜群。
そばではなく、これはラーメンの気分でしたね(笑)

沖縄そばにニンニクを加えて食べるのは、おそらく筆者は初めて。
濃厚な白湯スープの旨味にニンニクを加えたのスープは、パンチがきいて食べごたえのある一杯でした。
店舗案内
店の前にそびえる巨大な赤シーサーが、【中休味商店】の目印。
大きな赤いシーサーが出迎えてくれる外観は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。

座席構成はゆったりとくつろげる座敷席とテーブル席が半々のレイアウト。

店内は親しみやすい空間が広がっており、地元民や観光客、お一人様から家族連れまで気軽に立ち寄れる雰囲気です。

壁には著名人のサイン色紙がずらりと並び、長年地元に愛されてきた店であることがうかがえます。

卓上装備はコーレーグースや紅しょうが、ニンニク、七味、ラー油、コショウなどの調味料が一通り揃っており、味変もしやすく自分好みにアレンジ可能です。

住所 | 沖縄県宮古島市平良西里2050-1 |
アクセス | 宮古島空港から約10分 市街地から約15分 |
TEL | 0980-72-2868 |
営業時間 | 11:00〜15:00(L.O.14:30) 弁当販売7:00~売切れ次第 |
定休日 | 日曜日、第三第五月曜日 |
駐車場 | 有り |
座席構成 | 座敷・テーブル席 |
支払方法 | 現金のみ |
ホームページ、SNSその他 | Instagram 食べログ |
メニュー
そばメニューは10種類以上あり、すべて自家製麺使用の「宮古そば系」。
中でも人気なのは、看板メニューの「元祖鶏宮古そば」や、限定扱いの「鶏パイタンそば」「鶏ソーキそば」など。
麺は細めの「カギヨウ麺(知麺)」と太めの「ウダグ麺(太麺)」から選べますが、指定をしなければウダグ麺での提供となります。

そば以外にも、がっつり食べたい方には定食メニューも充実しており、から揚げやゴーヤーチャンプルーなどの沖縄系定食メニューも豊富。
セットのそばはカツオ出汁か鶏出汁のどちらかを選ぶことができます。

まとめ・感想
「沖縄そば=あっさり」のイメージを覆す、濃厚な鶏白湯スープの宮古そば。
その濃厚かつまろやかなスープと自家製麺の組み合わせが絶妙で、ラーメン専門店にも引けを取らない完成度です。
中休味商店のそばは、ラーメン好きにも刺さる力強い味わいでありながら、宮古そばの形式をきちんと守っているのが印象的でした。
一般的な沖縄そばのイメージを覆す一杯であり、ラーメン好きの方にもぜひ一度味わってほしい逸品です。
店内はアットホームな雰囲気で、観光客も地元の方も分け隔てなく温かく迎え入れてくれる居心地の良さがあります。
敷席もあるので、小さなお子様連れのご家族でも安心して利用できるでしょう。
豊富な定食メニューも魅力で、そばと一緒に沖縄の家庭料理を味わうのもおすすめです。
宮古島滞在中に、沖縄そばの枠を超えた新しい味に出会いたい方、地元に愛される食堂で温かい時間を過ごしたい方には、「中休味商店」は最適な選択肢となるでしょう
宮古島で「そば」と「ラーメン」のいいとこ取りをしたいなら、ぜひ訪れてほしい一軒です。
おわり
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