香川県琴平町にある【藤の家食堂】は、のれんにも「中華そば」と掲げられた、昔ながらの食堂。
観光地・金刀比羅宮(こんぴらさん)からも車で数分と近く、昼どきには地元の常連客でにぎわいを見せています。


住所 | 香川県仲多度郡琴平町榎井34-4 |
---|---|
営業時間 | 10:30~18:00 |
定休日 | 日曜・祝日 |
支払方法 | 現金 |
TEL | 0877-75-2525 |
アクセス | 琴電「榎井」駅より徒歩約3分 |
駐車場 | あり(店舗の道を挟んで南側に5台、裏に約20台分) |
座席構成 | カウンター席、テーブル席 |
ホームページ、SNSその他 | 食べログ ホットペッパーグルメ |

観光で訪れた町にも、普段づかいできる食堂がひとつあると助かるもの。
藤の家食堂は、そんなふうに肩の力を抜いて立ち寄れる一軒でした。
今回は、2025年4月上旬に訪れた『藤の家食堂』を紹介します。
メニュー
店内の壁には、木札のメニューがずらりと並んでいます。

この店の看板メニューであり、のれんにもその名があるのが「中華そば」。
まずはここから注文するのが、王道といえそうです。
麺類はそのほかにも、うどん・なべやき・肉うどんがあり、ご飯ものでは親子丼やカレーライスなどが並びます。
さらに、ばらすし・きつねすし・巻きすしといった寿司類も充実。
中華そばと一緒に注文しているお客さんの姿も多く見かけました。
価格帯は全体的に良心的で、主力メニューの多くは600~700円台。
なかには、うどん270円という驚きの価格も。
組み合わせ次第で、麺とごはん類を一緒に楽しむことも可能です。
実食
親子丼 600円(税込)
初訪問で注文したのは親子丼。
温かいごはんものが食べたい気分だったことと、「中華そば専門」という印象がまだ薄かったこともあり、迷わず親子丼を選びました。

出汁のしみた鶏肉と玉子がごはんにふんわりとかぶさり、しっかり煮込まれたやさしい味わい。
中にはかまぼこが入っていて、見た目にも彩りを添えています。
箸休めにはたくあんが2枚。昔ながらの食堂らしい、ほっとする組み合わせです。

レンゲですくってみると、汁気は多すぎず少なすぎず、ちょうど良い加減。
玉子や玉ねぎの甘みがしっかり煮込まれて、やわらかい鶏肉やごはんに染み込みます。
一口運ぶごとに、じんわりとしたおいしさが広がっていきました。

温かくて、やさしい味つけの親子丼。お腹も心も満たされるような一杯でした。
中華そば(中) 600円(税込)
2回目の訪問で注文したのは中華そば。
トッピングはチャーシューにメンマ、もやし、青ねぎと、実に王道。
なのにどこか懐かしさを感じる、食堂の中華そばです。

前回訪れたとき、まわりのお客さんのほとんど──いや、全員が中華そばを注文していたのが印象的で、「次は絶対に中華そば」と心に決めていました。
この日は、ばらすしも一緒に注文。
地元の人が中華そばとセットで頼んでいた姿を見て、気になっていた組み合わせです。

中華そばのスープは澄んだ醤油味で、油は控えめのあっさり系。
一口すすると、じんわりとした旨みが広がり、シンプルながら飽きのこない味わいです。

麺はやや細めのストレート。
ほどよい茹で加減で、スープとのなじみも良好です。

中サイズでも器はしっかりと深さがあり、食べ応えも十分。
セットで頼んだばらずしと合わせて、お腹も心も満たされました。
ばらずし 300円(税込)
中華そばと一緒に注文したばらずし。
店内でもこの組み合わせで食べている人が多く、地元で定番のセットなのだと感じました。
酢飯の上に、甘く煮た椎茸、錦糸卵、酢れんこん、などが彩りよく盛られた素朴な一品。
派手さはないけれど、どこか懐かしさを感じさせる見た目です。

酢飯はほんのり甘めで、具材それぞれの味がやさしく重なり合い、飽きのこない味わい。
中華そばのあっさり醤油スープともよく合い、箸休め的にも食事の締めとしてもちょうど良い存在でした。
中華そばとこのばらずしを合わせても、価格は900円。
満足感のある町のランチとして、申し分ない組み合わせですね。
店内・卓上装備
店内はカウンター席とテーブル席を合わせて20席少々。
卓上には割り箸、醤油、七味、コショウといった基本的な調味料のほか、ティッシュやアルコール消毒液も置かれています。
壁の木札メニューや、調理の様子が見える厨房など、どこか懐かしさを感じさせる空間です。

特徴的なのが、店に入ってすぐ正面に現れるガラスケース。
中には小鉢やおかずが並んでおり、自由に選んで定食スタイルにすることもできるようでした。

正午前後にはほとんどの席が埋まり、近所の常連さんらしきお客さんたちが思い思いに食事を楽しんでいました。
まとめ・感想
最初に訪れたときは親子丼を、次の訪問では中華そばとばらずしを。
2回にわたって藤の家食堂を利用しながら感じたのは、「日常使いできる安心感」でした。
派手さや話題性はないものの、ここには通いたくなる理由があります。
600円台でしっかり満足できる中華そば。
素朴だけれど丁寧に仕上げられた親子丼。
そして、組み合わせ自由なばらずしや小鉢の数々。
地元の人たちが自然と集まり、昼どきにはにぎわう様子からも、地域に根ざした信頼の厚さがうかがえます。
観光で訪れた町でも、こうしたお店が近くにあるとほっとするもの。
特別じゃなくていい、でも「また来よう」と思える。藤の家食堂は、そんな存在でした。
おわり
コメント