3.11までに読み終えたかった本。
「死の淵をみた男 著門田隆将」
「はじめに」記載されてるこのフレーズで一気に引き込まれました。
本書は、原発の是非を問うものではない。
あえて原発に賛成か、反対か、といった是非論には踏み込まない。
なぜなら、原発に「賛成」か「反対」か、というイデオロギーからの視点では、
彼らが賭して闘った「人として」の意味が、逆に見えにくくなるからである。
出典:死の淵をみた男より
私はあの時、ただ何が起き、現場が何を思い、どう戦ったか、
その事実だけを描きたいと思う。
原発に反対の人にも、逆に賛成の人にも、
あの巨大震災と大津波の中で、「何があったのか」をぜひ、
知っていただきたいと思う。
出典:死の淵をみた男より
そして、ただ涙するだけでした。
感想を述べると陳腐になるなぁ。
これほど何も言えない著書は初めてかも。
分野は違うけど、一応プラントエンジニアのはしくれとして、阪神淡路大震災の現場に携わっていた元技術屋です。
「現場で何があったのか?」ただ知りたかった。
それを伝えてくれる本です。
現象や作業の事実を伝えるだけでなく、一人一人の「思い」と「感情」、「考え」の「本心」も記されています。
大勢の人にていねいな取材を重ねた力作と言っても過言ではないでしょう。
本書の最後には朝日新聞の誤報の事実についても記されています。
あの記事をを出してから、(心のこもってない)謝罪までの長期間、事実が捏造されています。
いや、あの謝罪を知らない海外メディアそしてそのメディアを通じて、記事を読んだ外国人の中には朝日新聞の謝罪をしらず、今も捏造を事実と思っていることでしょう。
翻訳版はでてるんだろうか?
俺に英語力があれば、翻訳版を出したいよ。
「人間とは」から始まり、「使命感」、「責任感」など、様々な「思い」を考えさせられる名著であると思います。
3・11を風化させない為にも、読んでほしい一冊です。
おわり
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