和歌山県南部の熊野三山と和歌山県北部の高野山金剛峰寺は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として人気の神社仏閣です。
熊野三山は熊野那智大社、熊野本宮大社、熊野速玉大社の3つの神社のことです。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の範囲は和歌山県、奈良県、三重県にまたがる広大なエリアで、「高野山の寺院」と「熊野三山の神社仏閣」などを、構成資産の一つである熊野古道と呼ばれる「参詣道」などで結ばれています。
高野山と熊野三山は和歌山県の南北に広く分かれており、1日で全てを参拝するのは、ほぼ無理でしょう。
ただ行くだけなら可能だけどね
しかし、熊野三参拝参拝なら1日で可能です。
今回は2023年7月下旬、熊野三山の歴史と自然を心ゆくまで楽しめる参拝ドライブを紹介します。
では、行ってみよう
1日で熊野三山参拝できる?
参拝だけなら、熊野三山すべてを1日で回れる
結論は、参拝だけなら、熊野三山すべての神社を1日で回れます。
熊野三山の神社は、それぞれにたくさんの見所があり、じっくり回ると一つ神社に半日程度の時間を要します。
例えば、筆者が実践した「熊野那智大社を大門坂から熊野古道を歩き、参拝するモデルコース」は2時間半が目安です。
熊野本宮大社と熊野速玉大社にも、「熊野古道を歩き参拝するモデルコース」がもちろんありますが、もちろん半日近いコースになります。
従って、「熊野三山を1日で参拝するには、神社のみを参拝する」ことになります。
1日で参拝という事であれば、移動は車一択
早朝からタクシー・JR・バスを駆使して、公共機関で熊野三山を1日で参拝することは可能です。
しかし都合よくコインロッカーがあるわけでないので、旅行カバンなど荷物を抱えての参拝は厳しく、お勧めはできません。
1日ではなく、2~3泊ゆっくり回るのであれば、宿泊先に荷物を預けることができますが、今回の目的は1日で回るです。
従って、筆者の考えは車で移動一択となります。
参拝ルート
リゾバで那智勝浦町に筆者が在住していることから、今回の参拝ルートは、那智勝浦町を起点とし、那智勝浦町に戻るとルートとなります。
具体的にはルートは、那智勝浦町→熊野本宮大社→熊野速玉大社→熊野那智大社→那智勝浦町となります。
筆者は、午前7:00に出発しました。
タイムスケジュール
那智勝浦町→熊野本宮大社 移動時間約60分
那智勝浦町から熊野本宮大社までは、約47km、約60分で、熊野川沿いを50分程度ドライブしながら、熊野本宮大社へ向かいます。
熊野川の美しい景観を楽しみながらのドライブは、実に気持の良いものです。
ちなみに熊野川は、熊野本宮大社と熊野速玉大社を結ぶ「川の参詣道」として、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つです。
熊野本宮大社エリア 滞在時間約1時間30分
熊野本宮大社と境外末社の参拝時間合計は約50分。
神社間の移動時間を含むと、滞在時間は1時間30分程度になるでしょう。
無料駐車場
表参道入口横に無料駐車場があります。
同じような場所で、お土産屋さんも参拝者向けに駐車場を開放しています。
国道168号を挟んで反対側には、バス停・本宮大社前と和歌山世界遺産センターの並びに、熊野本宮館駐車場があります。
満車になると、熊野川沿いの河川敷駐車場が開放されます。
筆者は和歌山世界遺産センター側に駐車しました。
駐車場からは熊野本宮大社の他、境外摂社にも行くことができます。
熊野本宮大社 参拝時間約30分
和歌山世界遺産センター駐車場から約10分で、熊野本宮大社に到着します。
神門内の写真撮影は参拝記念のみで、SNSやブログでの発信はNGですので、気を付けてください。
筆者はうっかり発信防止の為、写真撮影は行いませんでした。
彦田社 参拝時間5分
和歌山世界遺産センター駐車場から約5分で、彦田社に到着します。
大斎原(おおゆのはら) 参拝時間約10分
和歌山世界遺産センター駐車場もしくは彦田社から約5分で、大斎原(おおゆのはら)に到着します。
大斎原(おおゆのはら)本宮大社が昔あった場所、つまり跡地ですね。
熊野本宮大社はかつて、熊野川・音無川・岩田川の合流点にある「大斎原(おおゆのはら)と呼ばれる中洲にあり、1889年(明治22年)8月、大水害により被災し、水害を免れた4社を現在の熊野本宮大社がある場所に遷座されたそうです。
真名井社 参拝時間約5分(推定)
2023年7月現在、土砂崩れによる通行止めで、真名井社に行けません。
筆者は参拝できなかった為、参拝時間は推定です。
熊野本宮大社→熊野速玉大社 移動時間約50分
熊野速玉大社から熊野速玉大社までは、約35km、約50分で到着します。
往きと同じく、熊野川沿いの渓谷を走っていきます。
熊野速玉大社エリア 滞在時間約1時間30分
熊野速玉神社、境外末社である神倉神社と阿須賀神社の参拝時間合計は約70分。
神社間の移動時間を含むと、滞在時間は1時間30分程度になるでしょう。
無料駐車場
各神社入口そばに無料駐車場があります。
熊野速玉大社 参拝時間約20分
鮮やかな朱色の鳥居や社殿が、参拝する人を魅了する熊野速玉大社。
熊野三山で一番町の中のある神社ですが、緑の木々に囲まれて、自然を感じます。
神倉神社 参拝時間約40分
巨大な「ゴトビキ岩」をご神体とする神倉神社。
538段の急勾配の石段を上ると言う苦行(笑)がありますが、最後に絶景と言うご褒美が待っています。
阿須賀神社 参拝時間約10分
2016年(平成28年)、世界遺産に追加登録された阿須賀神社。
追加登録だからでしょうか?「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つという事は、あまり知られていない印象があります。
そりゃそうだ、目録に記載してないんだもん
参照:世界遺産文化遺産オンライン、登録目録・和歌山県世界遺産センター
熊野速玉大社→熊野那智大社 移動時間約40分
熊野速玉大社から熊野那智大社へは、約22km、約40分で移動します。
新宮・那智勝浦間は、バイパスでの移動がメインなので、信号が少なく楽に移動できます。
熊野那智大社エリア 滞在時間約2時間
熊野那智大社の他、全ての神社仏閣の参拝時間合計は約60分。
神社仏閣間の移動時間を含むと、滞在時間は2時間程度になるでしょう。
駐車場
那智山では駐車場は点在しており、有料(500円)と無料の両方があります。
無料は一番遠い大門坂駐車場となり、約2.5km那智山周遊コースの起点になります。
熊野那智大社 参拝時間20分
筆者が感じる熊野三山で最も華やか神社が熊野那智大社。
見事な朱色の社殿と那智山から見下ろす景色に癒されること間違いないでしょう。
那智山青岸渡寺 参拝時間約15分
那智山青岸渡寺は熊野那智大社と隣接し、神仏集合時代は那智熊野権現を崇拝する修験道場でした。
本堂前から見下ろす三重塔と那智の滝の景色は見ごたえがあります。
飛瀧神社・那智の滝 参拝時間15分
社殿が無く、御神体が那智の滝となる飛瀧神社は、熊野三山で一番の人気スポットでしょう。
補陀落山寺 参拝時間約10分
那智山青岸渡寺の別院補陀落山寺。
筆者が最も歴史や文化を感じる寺院の一つで、補陀落信仰の根本道場だった古刹です。
まとめ・感想
熊野三山巡りは景観を楽しむドライブツアーでもある
熊野三山は自然豊かな山や川、海に囲まれています。
熊野川沿いの渓谷のドライブは気持ちよく、川沿いの運転時間は40~50分程度なので、ほどよい時間で景色にあきることがなくドライブできました。
また苦行と言っても過言ではない神倉神社の階段を上りきったあと、太平洋を一望する景色は、疲れを吹き飛ばすご褒美となりました。
お参りに興味がなくても、車での熊野三山巡りは十分楽しめるドライブツアーと言えます。
1日で参拝は可能、しかし1泊できれば2泊がお勧め
参拝のみであれば、7時間30分で熊野三山全てをお参りすることができます。
筆者の今回のタイムスケジュールはゆとりを持っていますので、それほど厳しくはないでしょう。
食事する時間を入れても、1日で行けるよ
ただ各神社付近で熊野古道をウオーキングするモデルコースがあります。
熊野古道ウオーキングすることにより、参拝もより一層楽しいものにることは間違いありません。
熊野古道の中には整備されてないところもあり、平安時代の人達と同じ土を歩いたかもしれないと思うと、歴史に触れると言うより、タイムスリップした感覚になるでしょう。
ただ、熊野古道ウオーキングは3~4時間は必要なので、最低でも1泊は必要ですが、自然そして歴史にゆっくりふれあうなら、2泊がお勧めです。
おわり
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