「熊野三山」は「熊野那智大社」「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」の三社と、「那智山青岸渡寺」の一寺で構成されており、そのうちの一つ「熊野那智大社」は、317年(仁徳天皇5年)現在の位置に社殿が創建されたことが始まりと言われています。
熊野那智大社は鮮やかな朱色の建物や御神木として祀っている樹齢約850年の大楠、また日本の滝100選にも含まれる那智の滝など見どころ溢れる大社です。
今回、2023年6月28日にお参りした熊野那智大社を紹介します。
では、お参りしましょう。
駐車場選びは観光目的とスケジュールで
熊野那智大社は那智山全体が見所であるため、駐車場が点在しています。
ただし大門坂駐車場は無料ですが、その他の駐車場は有料です。
熊野那智大社は、和歌山・三重・奈良の3県にまたがる世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の中の一つであり、そのエリアは広大です。
「中辺路などの熊野古道を数日間かけて歩き、神社に立ち寄る」、「車で熊野三山を巡る」、「勝浦温泉と熊野那智大社」など、世界遺産巡りなのか、温泉メインの観光なのかで、スケジュールが変わってきます。
また熊野那智大社だけでも「お参りだけなのか」、「熊野古道を歩くのか」、「どれだけ歩くのか」で、極端に言えば30分~半日とタイムスケジュールが大幅に変わってきます。
例えば唯一の無料駐車場の大門坂駐車場から、世界遺産の一つ熊野古道である大門坂を歩き、熊野那智大社へは徒歩で向かうコースがあります。
このコースは大門坂・那智山周遊のモデルコースで、駐車場→大門坂→表参道→熊野那智大社→那智山青岸渡寺→三重の塔→那智の滝→駐車場の距離1.8Kmを約2時間30分間歩いて周遊します。
従って大門坂・那智山周遊コースを選ぶと、半日は必要となります。
大門坂はポスターやパンフレットで使われている古道の1ヶ所で、「ここはぜひ歩きたい」と言う人は多いですね。
有料駐車場を利用すると、熊野那智大社や那智山青岸渡寺、那智の滝まで、それほど歩かずに行くことができます。
熊野那智大社へ向かう表参道の階段467段は上ることになりますがwww
また熊野那智大社に一番近い駐車場に行くと「防災道路通行料800円」がかかりますが、駐車料金は無料です。
467段の階段も上らずに参拝できますが、那智の滝へ向かうには遠くになり、帰りは上り坂になります。
広い那智山のどの駐車場を利用するかは、「スポット的に熊野那智大社を参拝するのか」、「那智山を周遊するのか」などで決めることになるでしょう。
熊野那智大社
表参道の階段は467段
那智山中腹のけっこう高いところに、熊野那智大社はあります。
熊野那智大社は那智山の中腹にあるわけですから、坂道や階段はつきものになりますよね。
表参道の階段467段上がるので少し大変ですが、途中ベンチやカフェなど休憩場所があるので、休み休み上ることができます。
鳥居が見えても、到着ではありません。
この鳥居をくぐり、あともう少し階段を上り、2つ目の鳥居で到着です。
一つ目の鳥居の左側にある手水舎を通り過ぎても、安心してください、2つ目の鳥居の後にもありますので。
両方の手水舎には紫陽花が散りばめられていました。
参拝は「茅の輪くぐり」を行ってから
熊野那智大社では礼殿の正面にある「茅の輪くぐり」を行ってから、礼殿に向かい参拝します。
熊野那智大社の建物は、眩しいくらい鮮やかな朱色で構成されています。
御縣彦社(みあがたひこしゃ)
熊野の神様のお使いである三本足の烏 八咫烏(やたがらす)をお祀りしている御縣彦社(みあがたひこしゃ)は、熊野那智大社の境内にありす。
日本サッカーの生みの親である中村覚乃助氏が那智勝浦町出身のことから、日本サッカー協会のシンボルマークに八咫烏が使われていると言われています。
御神木・樹齢850年樟の樟零社胎内くぐり
平清盛の長男、平重盛がお手植えされたと言われる樟(くす)は、熊野那智大社の御神木となっています。
御神木の樟は和歌山県指定の天然記念物で、推定樹齢850年、樹高は27メートル、幹回り約8.5メートルの大きさです。
幹が空洞化しており、護摩木(300円)もしくは絵馬(500円)を持って通り抜ける「体内くぐり」ができます。
宝物殿
筆者は入場しませんでしたが、熊野那智大社には有料で拝観できる施設「宝物殿」があります。
宝物殿には、那智経塚からの出土品や国指定の文化財である熊野那智大社文書など、熊野や熊野信仰の歴史に関する貴重な資料が多数展示されています。
拝観料は300円です。
御朱印
御朱印は熊野那智大社と御縣彦社の2社もあります。
書置きになりますが、2023年6月28日現在、特別御朱印として「奉祝 天皇皇后両陛下御成婚三十年」があります。
熊野那智大社別宮飛瀧神社(ひろうじんじゃ)
那智の滝自体が御神体、社のない神社
那智の滝自体を御神体とした飛瀧神社な為、神様をお祀りする社はなく、直接、那智の瀧を拝礼します。
参道入口の鳥居をくぐり、そのまま参道を抜けると、護摩木、鳥居、ご神体の那智の滝と続きます。
御神体那智の滝は、世界遺産の構成資産、日本三名爆の一つ
飛瀧神社の御神体・那智の滝は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つであり、また日本人の好きな三大○○の一つで、那智の滝は「日本三名瀑」一つです。(他は日光の華厳の滝、茨城県の袋田の滝)
一段の滝としては日本一の落差を誇る名瀑で、落差133m、幅13mの直瀑の滝です。
御滝拝所舞台
参入料300円で、那智御瀧を一番近く、真正面で拝観できる観覧舞台に行けます。
延命長寿の水と伝わる那智御瀧の滝つぼの水を飲むこともできます。
筆者は盃は持ち帰らず、置いて帰りました。
御朱印
御朱印帳に直接押印して頂く御朱印と、背景に御滝が薄っすらとプリントされた特別御朱印は書き置き御朱印との2種類があります。
アクセス
那智勝浦は半端なく遠いですwww
出発地にもよりますが、それなりに時間がかかることを理解して、行きましょう。
電車
熊野那智大社の一番近い最寄り駅は那智駅になりますが、特急は停車しません。
従って京都・大阪方面からは「特急くろしお」、名古屋方面からは「特急南紀」が停車する紀伊勝浦駅利用がベターでしょう。
紀伊勝浦駅からの所要時間は、バスで「那智山」まで約30分、タクシー約20分です。
飛行機
JAL縛りですが羽田発の南紀白浜空港利用、その他の地域であれば関空利用になります。
南紀白浜空港からはレンタカーもしくはJRで、関空からはJRがベターでしょう。
南紀白浜空港からJR白浜駅まではタクシーで約10分、路線バスでも行けます。(時間は不明、何となく20分ぐらいかな)
航空券の最安値を調べてみる:エアトリ空港からレンタカーも有りですが、白浜から約2時間弱、関空からだと3時間はかかるでしょう。
ほんと遠いんだよね
夜行バス
大宮、池袋方面から勝浦温泉行きの夜行バスが出ており、筆者も池袋から乗車したことが、あります。
楽天トラベル熊野三山や熊野権現をざっくり解説
三山と言うと寺と言うイメージがありませんか?
明治維新までは、熊野那智大社の主神・牟須美神は千手観音を、熊野本宮大社の主祭神・家都美御子神は阿弥陀如来を、熊野速玉大社の主神・速玉神は薬師如来を本地仏としていたことから、仏教色があり、その名残で神社であっても三山と呼ばれています。
それは明治維新までの本地垂迹思想(ほんじすいじゃくしそう)が元になっているからです。
本地垂迹思想を簡単に説明すると、「神道の八百万の神々は、実は異国の様々な仏の権現である」という意味です。
実は日本でも宗教戦争的なことがあって、6世紀中頃仏教が伝来すると、神道信仰する人々と戦いが起こり、最終的に仏教信仰側の勝利となりました。
その結果、日本の古来の神道「八百万」(やおよろず)の神々は、仏の下に位置付けられましたが、その後「本地垂迹思想」が生まれました。
それがインドの仏菩薩(本地)が、日本の実情に合わせて姿を変えて現れた(垂迹)という考えです。
この思想は広く受け入れられ、八百万の神々と仏は、仏教主導のもとで融合し共存することになりました。
簡単に言うと、「仏として本来の姿は大日如来だけど、日本では仮の姿として天照大神だよ」って言う、離れ業をするわけですwww
だから違う宗教なのに、神社と寺の両方を普通に参拝するのに違和感がないんだ。
日本人の何でもあり的な宗教観はこの時生まれたのかもwww
まとめ・感想
っという感じで、熊野那智大社を参拝しました。
熊野那智大社はもちろん、周辺の自然の美しさも印象的でした。
特に那智の滝の迫力や、熊野古道の風景は目に焼き付いており、自然と歴史が調和したこの地は、まさに神聖なる場所と呼ぶにふさわしいと感じました。
筆者が礼殿に到着した時刻は、参拝時間の開始の午前8時。
人がいない古くから人々の信仰を集めてきた神社で、静けさと厳粛さに、とても心が洗われました。
ただ9時を過ぎると、団体バスツアーがどんどんやってくる為、どうしてもざわざわします。
従って参拝するなら、9時前までにすることをお勧めします。
おわり
コメント