伊豆・雲見と言えば「牛着岩」をはじめとした地形。
トンネル、クレバス、横穴、縦穴、水路など変化に富んだコース構成が特徴で、地形派ダイバーに人気の高いエリアです。
今回は、その雲見を代表するポイント「牛着岩」と「三競(さんきょう)」を2本潜りました。

きっかけは、沖縄でゲストハウスを営んでいた頃のゲストさんからの誘いでした。
そのゲストさんとはそれ以来交流が続き、2016年には台湾・懇丁でのダイビングを案内してもらったこともあります。

昨年「神子元で潜ってみたい」と連絡があり、筆者のリゾートバイトが終了する6月の予定にあわせて伊豆遠征を計画。
神子元はハンマーヘッドシャークで知られる上級ポイント。
参加には経験本数30本以上、直近3ヶ月以内の潜水実績が必要とされるため、前哨戦として6月12日に雲見を組み込みました。

今回は、2025年6月12日に潜った「雲見 牛着岩・三競」でのダイビングを紹介します。
天候・海況
2025年6月12日(木)、雲見の天気は晴れ時々曇り。
気温は23℃と過ごしやすく、風はほとんど感じない穏やかなコンディションでした。
この日は大潮で、干満差が大きく、満潮は4:35/19:09、干潮は11:51。
波高は0.5mと落ち着いており、港内もエントリー地点も終日安定していました。

曇り空ではあるが、穏やかな水面
透明度10〜12mを確保でき、光が差し込むアーチや縦穴の輪郭がしっかりと見える、地形ダイブ向きの視界となっていました。
2025年6月12日(木) | |
天気 | 晴れ時々曇 |
気温 | 23℃ |
風向き | 東 |
潮 | 大潮 |
満潮 | 04;35/19:09 |
干潮 | 11:51/- |
波高 | 0.5m |
ダイビングログ
1本目:牛着岩(うしつきいわ)
伊豆・雲見を代表する地形ポイントのひとつ「牛着岩」。
クレバス、横穴、縦穴、水路などが入り組む、地形派ダイバーに人気の高いエリアです。
ポイント名 | 牛着岩 |
エントリー/エキジット | 09:50→10:29 |
潜水時間 | 39分 |
水温 | 22.0℃ |
最大水深 | 21.8m |
平均水深 | 10.4m |
透明度 | 10m~12m |
入ってすぐに水深をとり、岩の裂け目から洞窟に入ると、外光が遮られ、視界が落ち着ついてきます。
他にダイバーがいなかった為、洞窟内では自分の呼吸音だけが聞こえる静かな空間。
これがまた、いい雰囲気なんですよね。
壁際にはキンメモドキの群れ。
洞窟内の光量は少ないながら、群れの密度と動きに目を奪われます。

洞窟の出口の向こうは、自然光が差す印象的なシルエット。

砂の巻き上げもなく、洞窟内は終始クリア。
バディが静かに穴を抜けていく姿を見ながら、この静けさの中を進む感覚に、高揚感を覚えました。

2本目:三競(さんきょう)
「1の穴」から「5の穴」まで、複数のトンネルが連なる「三競」。
時間帯や太陽の角度によって光の差し込みが変わる、雲見屈指の光と地形の演出ポイントです。
ポイント名 | 三競 |
エントリー/エキジット | 12:59→13:33 |
潜水時間 | 34分 |
水温 | 22.4℃ |
最大水深 | 11.4m |
平均水深 | 7.0m |
透明度 | 10m~12m |
水深は浅めながら、入り組んだ岩の間を縫うように進み、光と影が織りなす幻想的な地形を楽しめます。

三競のメインとも言える3番の穴。
空洞の天井からこぼれる光が、水面にも岩壁にも反射し、見事な洞窟のシルエットが見られます。

三競のメインイベントは、ここでの浮上。

浮上すると、そこはホールのような感じの空間が広がっています.

筆者が伊豆半島の次に潜りとしている海は、地形で有名なダイビングポイント宮古島。
宮古島には「通り池」や「ミニ通り池」と言った浮上ポイントがあり、三競を潜るたびに宮古島を思い出します。

この後もいくつかのホールを抜けながら、三競の終盤へ。

振り返れば、自然の造形がつくるトンネルや光景の連続に、時間を忘れてしまいそうな一本でした。
まとめ・感想
昨年、約10年ぶりに潜った雲見の海。
今回は、神子元でのダイビングを控えた直前調整も兼ねての一本でした。
クレバス、横穴、縦穴、水路などが入り組むといった雲見ならではの地形は、伊豆の他のダイビングポイントにはない魅力。
とくに三競3番の浮上ポイントでは、光と反射がつくり出すシルエットに、息を呑むような美しさを感じました。

「浮上する地形」を楽しめるポイントは多くありませんが、ここにはそれを味わえる面白さがありますね。
おわり
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