香川県・丸亀市には、骨付鳥発祥の店「一鶴」や、現存十二天守のひとつである「丸亀城」など、見どころが点在しています。
筆者は現在、香川県琴平町でリゾートバイト中ですが、オフの日の気分転換に、その丸亀市で一泊してきました。
訪れたのは、発祥店である本店ではないものの、同じ市内にある「一鶴 土器店」。
昼に骨付鳥を味わい、丸亀城をのんびり歩いたあとは、「オークラホテル丸亀」でひと休み。
派手な観光こそないものの、土地に流れる静けさや、歩いた道の空気ごと、記事の中でお伝えできればと思います。
今回は、2025年5月初旬に訪れた「一鶴 土器店」「丸亀城」「オークラホテル丸亀」を紹介します。
一鶴 土器川店
香川県・丸亀市で生まれたご当地グルメ「骨付鳥」。
その発祥の店として知られるのが「一鶴(いっかく)」です。
市街地にある本店が有名ですが、今回筆者が訪れたのは、少し郊外にある「一鶴 土器川(どきかわ)店」。

住所 | 香川県丸亀市土居町2-12-33 |
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営業時間 | 平日 11:00~14:00、17:00~22:00 土日祝11:00~22:00 |
定休日 | 水曜日 |
支払方法 | 現金、カード、電子マネー、コード決済 |
TEL | 0877-23-3711 |
アクセス | JR丸亀駅から車で5分 高松自動車道坂出ICから車で15分 |
駐車場 | 96台 |
座席構成 | テーブル席(132席)、座敷(232席) |
ホームページ、SNSその他 | 公式サイト 食べログ じゃらんネット |
今回土器川店を選んだ理由はこの広い駐車場にあります。
本当は発祥店である本店に行きたかったのですが、JR丸亀駅前徒歩1分の場所に有るため、駐車場がありません。
しかし土器川店には96台分ある大きな駐車場があります。

土器川の静かな川音を背に、石積みの外壁とどっしりとした屋根のエントランスをくぐります。
ちなみに土器川は、香川県唯一の一級河川です。

中に入るとすぐ、厨房から立ちのぼる香ばしい煙と、パチパチと肉が焼ける音が迎えてくれ、この時点でもう「絶対にうまい」と確信できます。

テーブル席数は132席。
どのテーブルも広めの4人席、それをくっつけて大人数も座れるようにしてありました。

卓上装備装備は、割りばし、爪楊枝、紙ナプキン。
調味料的なものはありませんでした。

さて、メニューです。
骨付鳥は「おやどり1,129円(税込)」と「ひなどり1,000円(税込)」の2種類。



筆者は「おやどり」と「ひなどり」両方を注文。
出てきた骨付鳥は、思わず「おお」と声が出るボリューム。

そして見た目にもビールに合うってわかる骨付鳥。
一鶴の楽しみ方のイラストにも生ビールが描かれています。

筆者は車で訪れたので生ビールは諦めて、ノンアルコールビールも注文しました。

まずは「おやどり」からかぶりつきました。
おやどりとは産卵を経験した鶏のこと。
一鶴のおやどりは切り込みを入れた状態で提供されます。
っというのもおやどりは非常に硬く、切り込みがなければ食べるのが難しい硬さがあります。

おやどりは硬いとは聞いていましたが、想像以上の硬さ。
下側をかぶりつきましたが、切り込みのところで綺麗に噛み切れず、数珠つなぎのような肉が骨から外れていきます。

切れ込みのところを手でちぎりながら、両手でむさぼりつく感じで食べていきました。
両手はソースまみれなので、写真をとるのもひと苦労w
よく噛みながら食べるわけですが、噛めば噛むほどに肉の旨味とスパイスの香りが立ち上がります。
ただ筆者はかなりあごが疲れましたねw

若い鶏「ひなどり」は対照的に、やわらかく、皮のパリパリ感がしっかり。

見るからにジューシーで柔らかい鶏肉は、スパイシーな味付けがあと引きます。
このスパイシーな味付けにビールがすすむわけですが、おやどりではできなかった「片手に骨付鳥、もう一方にはノンアルコールですがビール。」
この食べ方がより美味さを引き立ててくれます。

骨とスパイスの効いたタレだけになった銀皿。
このタレにおむすびやキャベツをつけて食べるのが、また美味い。

キャベツにタレを絡めて最後の一口。
ノンアルビールを飲み干しながら、「やっぱりビール欲しいな」と思いつつも、しっかり満たされていました。
丸亀城
1660年(万治3年)に完成した国の重要文化財である丸亀城天守閣は、全国に12しかない現存天守のひとつに数えられています。

江戸幕府が始まったのは1603年。
それ以前にあった丸亀城は、江戸幕府の一国一城令により1615年(元和元年)に廃城となりましたが、1643年(寛永20年)山崎家治によって再建され、その後丸亀藩主となった京極高和によって完成しました。

天守閣自体は高さ15mの三層三階の木造で、現存天守としては日本最小ですが、「石垣の名城」と言われる程、石垣が有名。
石垣に垣間見る当時の技術、職人の思い、その時代の人々に想いを馳せながら、石垣をめぐってみるのもいいでしょう。
城内は高低差のある構造で、登るごとに門や曲輪(くるわ)の配置が変わり、城全体の構造的な美しさが歩くほどに伝わってきます。
今回は、この丸亀城を写真とともに順を追って紹介していきます。

丸亀城北側の堀を渡った先にある正面入口にあたる大手門。
案内図上では天守閣の真下にあたる位置で、車道から歩いて向かうとすぐに見えてきます。
丸亀城の大手門は、堀を渡ってすぐが「二の門」、その奥にあるのが「一の門」という並びです。

大手二の門の向こうには、丸亀城天守閣がそびえ立っているのが見えます。
この角度から見上げると、天守の小ささをまったく感じさせず、堂々とした風格があります。
江戸時代の大手門と天守閣がそろって残っているのは、丸亀城、高知城、弘前城の3城のみ。
そう考えると、この門からの眺めにも歴史的な重みを感じます。

国の重要文化財で大手一の門
大手二の門は高麗門ですが、奥にある大手一の門は櫓門。
櫓門は門の中でも最も格式が高く、城を守るための防御性と権威を兼ね備えた造り。
実際に門の前に立つと、その重厚さに思わず足が止まりました。

大手二の門から大手一の門へ抜ける空間、ここを桝形と言い、出陣に際し武者を一堂に集めていた場所です。

大手二の門を抜けた後、正面の石垣に「幸運の石」と呼ばれるハート形の石があります。
「丸亀城のちょっとした名物」として、訪れた人が自分で探す楽しみも含めて味わうスポットで、良縁があると言われています。

大手一の門をくぐり天守を目指すのに、長い坂「見返り坂」をのぼります。
急傾斜な為、時々立ち止まって振り返りたくなることから、「見返り坂」と呼ばれるようになったそうです。
このあたりからは緑も多くなり、春から初夏にかけては木陰が心地よく、急な坂道ですが、歩く足取りも軽くなります。

そして丸亀城を語る上で欠かせないのが、「石垣の名城」とも呼ばれる美しい高石垣の存在。
天守へ続く四層の石垣は全体の高さ(総高)が60メートルで全国一の高さを誇るそうです。
案内板によると、三の丸北側の石垣は、扇の勾配とも称される緩やかで優美な曲線を描いて積まれており、高さは約20メートルにもなります。

実際に足元に立って見上げると、石の一つひとつが精緻に組まれているのがわかり、その積み方には技術と美意識が込められているのを感じます。



現地で風に吹かれながら、この壮観な曲線美をただ見上げるだけでも、訪れた価値があると思わせてくれる場所でした。
そして二の丸を抜けると、現存12天守の一つ丸亀城の天守閣があらわれます。

三層三階の木造で、現存十二天守の中でも最も小さな天守とされています。

しかし、小ぶりながらも非常に均整の取れた美しい姿で、近くから見上げるとその凛とした雰囲気に目を奪われます。

天守閣への入場料金は400円(税込)。
天守閣に入ると、内部は木造のまま保存されており、「構造を感じる空間」といった趣。
壁には梁や柱がむき出しになっていて、木の質感がそのまま残されています。

階段はかなり急で、踏板も狭いため、上り下りには注意が必要です。
人によっては手すりをしっかり持って、一歩ずつゆっくりと登った方がよいでしょう。


最上階からは、丸亀市内を一望できます。
江戸時代と変わらないのは、島の輪郭くらいかもしれません。
けれど、天守からの眺めには今もなお、静かな時間の流れを感じさせるものがありました。

今回筆者は大手二の門から城内に入り、天守閣までの往復での散策をしました。
かなりゆっくり目に散策したので、所要時間は1時間30分程。
天守閣内部にも、15分程滞在しました。

駐車場は丸亀城内資料館南側に約50台あります。
また近くには有料駐車場が多数あり、今回筆者は大手二の門まで徒歩で約10分の場所にある市営の有料駐車場を利用。
30分100円で、平日1日最大400円でした。
オークラホテル丸亀
今回の丸亀滞在はじゃらんネット(5,500円 (税込サ込))で「オークラホテル丸亀」に素泊まりで1泊しました。

オークラホテル丸亀を選んだ理由は、温泉ではありませんが海の見える大浴場を楽しむ為です。
その大浴場からは瀬戸大橋も見え、絶景の大浴場です。
大浴場内での撮影はできないので、写真は筆者が宿泊した10F廊下からの景色。
大浴場は3Fだったので、水面をもっと近くに感じました。

部屋はシンプルなシングルルームで、必要な設備はひと通りそろっています。
デスクや鏡、テレビなどはビジネスホテルの標準的な備品といった印象で、清掃も行き届いていました。


筆者が実際に宿泊した部屋は、瀬戸大橋と逆側の「ボートレース丸亀」が見える部屋。
開催日であればその様子を部屋から楽しむことができます。

ボートレース丸亀はナイター営業もしています。

オークラホテル丸亀は徒歩圏内にコンビニや飲食店がないのですが、ボート場内にはフードコーナーやカフェテリアがあるので、入場料100円かかりますが、そこを利用するのもアリですね。
まとめ・感想
今回の筆者の滞在は、観光を詰め込んだ旅ではありませんでした。
それでも、骨付鳥の香ばしさや、丸亀城を歩いた静かな時間、そしてホテルの大浴場でのんびり過ごした夜──
どれも「丸亀らしさ」をじんわり感じさせてくれるものでした。
旅先で特別なことをしたわけではないけれど、琴平温泉でリゾートバイト中の筆者にとっては、とても良い気分転換になりました。
丸亀はこんぴらさんのある琴平町や善通寺のある善通寺市から車で約20分程度、JRでも琴平丸亀間は普通電車で5駅20分強と比較的近い場所。
こてこての観光地ではないので、宿泊費も割安感があり、宿泊地の候補に入れるのもアリですね。
おわり
今回のような滞在スタイルに興味がある方は、以下のリゾートバイト派遣会社も参考にしてみてください。
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