1859年(安政6年)創業の諏訪酒造は、鳥取県の自然と歴史に囲まれた江戸時代の宿場町・智頭宿にあります。
水や米、酵母など、すべての素材にこだわり、丁寧な手仕事で醸された日本酒が味わえる諏訪酒造では、蔵人たちが長年熟成させた古酒や、旬の素材を使った季節限定などもあり、多くのお客様に愛されています。
今回の記事では、そんな諏訪酒造が誇る、素晴らしい古酒と季節限定酒についてご紹介します。
では飲んでみよう
【古酒】1997年(平成9年)もの純米酒
日本酒の古酒とは
以前のブログでこう記載しました。
ト 表示基準5の(10)「製造時期」の表示について
(イ) 製造時期については、清酒を販売する目的をもって容器に充塡し密封した時期をいうのであるが、冷蔵等適切な貯蔵をした上で販売するものについては、その貯蔵を終了し販売する目的をもって製品化した日を製造時期として取り扱う。
引用元:国税庁ウェブサイト 第86条の6 酒類の表示の基準より
ざっくり言うと、「ラベルを張って販売すると意思表示」した時が「目的をもって製品化した製造時期」となり、その時が製造年月となるのです。
「製造年月日2022年11月の1997もの」とラベルからわかります。
実際に飲んでみた
封を切った瞬間、「これは古酒」と初見でもわかる熟した香りがしました。
1997年もの純米酒の古酒は、複雑で深い味わいを持っていました。
口に含むと、やや渋味がありながらも、鋭い酸味がバランスよく調和しており、舌の上で広がる余韻も長く、心地よいアフターテイストが残ります。
また、熟成によって香りや味わいが複雑化したため、時間をかけてゆっくりと楽しむことができます。
上品で洗練された味わいを楽しめる、贅沢な古酒と言えるでしょう。
【夏の純米生】スイカ麹、スイカ酵母を使用
夏の純米生 特徴
夏の純米生の最大の特徴は「世界初、日本初の鳥取県開発のスイカ麹、スイカ酵母を使用」
「スイカって珍しいなぁ」と思いつつ、原材料の表示は「純米酒の原材料は米、米こうじ」のみで、麹菌、酵母菌の表示はありません。
これは日本の酒税法によれば、日本酒の麹菌と酵母菌の表示は義務ではないからです。
他の純米酒も同じく、原材料は米と米こうじ
吟醸酒、大吟醸などの醸造酒は醸造アルコールが原材料に加わります。
麹菌と酵母菌のおさらいをしてみよう
麴菌の役割はデンプン→ブドウ糖、タンパク質→アミノ酸に分解
蒸米に麹菌をふり掛け、麹菌を植え付けたのが「米こうじ」となり、原材料の一つになるわけです。
通常日本酒で使用される麹菌は黄麹ですが、「夏の純米生」ではスイカ麹を蒸米に繁殖させて「米こうじ」を造っているのでしょう。
酵母菌の役割は糖→アルコールと炭酸ガスに分解
蒸した米と米こうじと水に、酵母を加えたものが日本酒になります。
酵母菌によって、糖分をアルコールに変えるわけですが、お米には糖分が含まれていないので、麹菌を使いお米のデンプンを糖分に変え、そのあと酵母のはたらきで糖分をアルコールと炭酸ガスに分解して、日本酒ができあがります。
麹菌と酵母菌とも「カビ」一種で、「食べられるカビ」で、今回はスイカから「食べられるカビ」を造っているということになります。
実際に飲んでみた
酒蔵でも説明を受けましたが、飲み方は「炭酸水割」がおすすめとのこと。
蔵元お勧めの飲み方が「美味いに決まってる」と言うことで、炭酸水割で飲んでみました。
炭酸水で割って、大正解です。
ストレートで飲んでみると、「スイカなのかな?」って感じの難しい香りと、酸っぱいが強い甘酸っぱさの「何となく微妙な味」の純米酒。
これを炭酸水で割ると、酸っぱさが激減した「純米酒ハイ」にさまがわりwww
脂の乗ったサワラの刺身をつまみに飲みましたが、これが美味い!!
甘酸っぱさが、爽やかで爽快感のある口当たりとなるので、濃い味系のつまみとの相性が合うのでしょう。
【夏の純吟生】枝豆にあう純米酒
夏向けの新酒
暑い夏に合うお酒と言えば、ビール、暑い日の冷えたビールはたまりませんからねw
そしてビールのつまみの代表格と言えば、枝豆。
しかし「枝豆にあうのビールだけじゃないよ」って感じの新酒が【夏の純吟生】なんです。
枝豆にフォーカスしたお酒もめずらしく、夏向けの純米酒と言えるでしょう。
実際に飲んでみた
「枝豆にあう純米酒」の味は辛口でした。
枝豆の甘さに、キリッした辛口は確かに相性ぴったり。
【夏の純吟生】は清涼感と切れ味のある味わいで、一口飲むと、舌の上で爽やかな辛味と米の旨味が広がり、その後に口の中で広がる香りが心地よく感じられるところが、魅力的でした。
【酒蔵交流館 梶屋】諏訪酒造直売所
諏訪酒造のお酒は、酒蔵の直売所【酒蔵交流館 梶屋】で販売しています。
諏訪酒造の主要銘柄は「鵬」
鵬は1988年~1991年「週刊モーニング」で連載されていた「奈津子の酒」に搭乗します。
各年代の古酒もあり、古酒好きには嬉しいラインナップ。
おそらく、今で言うお酒の商品券「酒券」。
諏訪酒造のお酒はオンラインショップやAmazonなどの通販の購入の他、一部のふるさと納税サイトで返礼品として扱っています。
まとめ・感想
今回は3種類の日本酒を購入したわけですが、季節限定の酒や、酒蔵直売店ならではの古酒も魅力的で、筆者好みのお酒を見つけることができました。
最近めっきり減った試飲を積極的に勧めてくれるので、ドライバーでなければ試飲も楽しめます。
諏訪酒造の仕込み水は軟水で、仕込み水の試飲もでき、筆者は試飲させていただきました。
筆者が酒蔵を訪れるのは、酒蔵直売店ならではの限定品や、季節に合わせた商品もあるため、いつ行っても楽しめることや、スタッフの方も親切で、お酒に詳しい方が多く、おすすめの銘柄や飲み方を教えてくれるからです。
今回も、お気に入りのお酒を見つけることができ、大満足で、また、訪れたい酒蔵ですね。
おわり
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