潮流の強さと回遊魚との遭遇で知られる伊豆・神子元。
中層を流しながら潜るドリフトダイビングが基本で、狙うはただ一つ──ハンマーヘッドシャーク.
今回は、かつて沖縄で出会ったゲストさんからのリクエストをきっかけに実現した2日間。
事前に雲見で調整ダイブを終え、いよいよ本命の神子元へと挑みました。

初日は絶好の潮と透明度に恵まれ、群れをなして泳ぐハンマーたちに遭遇。
翌日も群れをなして泳ぐハンマーたちに遭遇し、計4ダイブでこの海のポテンシャルを存分に味わいました。

今回は、2025年6月13日〜14日に潜った「神子元」でのダイビングを紹介します。
天候・海況
2025年の東海地方の梅雨入りは、6月9日。
それから強い雨が続いていましたが、筆者たちがダイビングを始めた12日から晴れはじめ、14日はダイビング終了後に雨と、ダイビング中は天気に恵まれました。
風はほどほどで、船の揺れもほどほど。
流は強かったのですが、全体的には、良好な天気と良好な海況でした。
2025年6月13日(金) | |
天気 | 晴れ |
気温 | 26℃ |
風向き | 南東 |
潮 | 大潮 |
満潮 | 005:11/19:37 |
干潮 | 00:04/12:23 |
波高 | 0.1m |
2025年6月14日(土) | |
天気 | 曇のち雨 |
気温 | 23℃ |
風向き | 南東 |
潮 | 大潮 |
満潮 | 05:47/20:15 |
干潮 | 00:39/13:01 |
波高 | 0.5 |
ダイビングログ
初日(6月13日)は、神子元らしい潮の強さと、抜群の透明度。
ターゲットはもちろんハンマーですが、いろんな群れがあり、イサキの群れもかなりの大きさでした。

そのイサキの群れの上を悠然と泳ぐハンマーの姿を発見。

写真では分かり難いのですが、100匹クラスの群れが筆者たちの頭上を駆け抜けていきました。

グループのみんなとちょっと距離を感じたので、ほんの少しだけ急いで動画撮影。
ポイント名 | 神子元カメ根 |
エントリー/エキジット | 10:28→10:57 |
潜水時間 | 29分 |
水温 | 22.0℃ |
最大水深 | 22.4m |
平均水深 | 14.6m |
透明度 | 15~20m |
ポイント名 | 10~15m |
エントリー/エキジット | 12:03→12:36 |
潜水時間 | 33分 |
水温 | 21.8℃ |
最大水深 | 18.2m |
平均水深 | 11.2m |
透明度 | 15~20m |
2日目(6月14日)は前日より天気が崩れ始める予報。
前日より流れが速くなり、透明度も若干悪くなりました。
翌日の6月15日クローズになっていたので、予定通り2日間潜ることができた筆者たちははラッキーと言えるでしょう。
ただハンマーの方は大当たり。
こちらの群れを見つけた時は、筆者たちよりかなり上を泳いでいました。

すかさず筆者たちも浮上し、ハンマーと同じ水深へ移動。
ハンマーの群れもほとんど通り過ぎて、「も~終わりか」と思った矢先に、右から左へ進んでいたハンマーたちが、Uターンしてくれました。


おかげさまでハンマーとほぼ同じ水深で、じっくり観察することができました。
ポイント名 | 神子元カメ根 |
エントリー/エキジット | 09:19→09:51 |
潜水時間 | 32分 |
水温 | 22.4℃ |
最大水深 | 21.6m |
平均水深 | 12.0m |
透明度 | 10~15m |
ポイント名 | 神子元カメ根 |
エントリー/エキジット | 10:57→11:29 |
潜水時間 | 32分 |
水温 | 22.4℃ |
最大水深 | 16.8m |
平均水深 | 10.6m |
透明度 | 10~15m |
神子元でのダイビングの留意点
今回利用したダイビングショップの留意点なので、他のショップでは異なる場合もあると思いますが、筆者が感じた留意点をまとめます。
エキジットスタイル
神子元はエントリー場所と、エキジット場所は異なる為、浮上ポイントでガイド揚げたフロートの位置にボートが移動しエキジットします。
筆者は1日2ダイブだったので、3ダイブ目をボート上から観察していました。
エントリー後、ボートは移動しません。
ダイブスケジュールは30~35分での浮上なので、その時間帯に上がるフロートを確認。

フロートを目印にボートが移動。
ガイドを先頭にゲストが並び、ボートを待ちます。

ガイドの合図の元、全員がボートへ向かいます。

船尾のリフトに全員が立つと、リフトが上昇しボートに戻ります。

グループが複数あれば、浮上場所が異なるので、順番に船を待ちエキジットします。
フィンは重要
ドリフトダイビングと聞いていた筆者。
筆者が認識していたドリフトダイビングとは、「潮の流れにのって移動するダイビング」スタイルのこと。
そして、エントリーに使ったボートも潮の流れに沿って一緒に移動。
そこで筆者は、「ドリフトダイビングは潮の流れにのって進むダイビングだから、逆行は無い」と思い込んでいたら、大間違いでした。
確かに潮の流れにのるのですが、「ハンマーを発見した場所によっては思いっきり逆行」また、「エキジットは島影で流れの少ない場所を選ぶ」ため、逆行は必須条件でした。
筆者が使用しているフィンは、推進力が強いフィンではないので、今回はホントに大変でした。
その為全く追いつけず、呼吸が荒くなり、危険を感じたので、離脱しようかと思った時が一度ありました。
筆者以外のダイバーは、推進力のあるフィンを使用していました。
ほとんどのダイバーがGULLのワープを使用し、他にGULLのバラクーダを使用するダイバーもいました。
筆者の友人は、以前筆者が勧めたGULLのスーパーミューを使用。
これでも問題はなかったようですが、神子元をハードリピートするのであれば、性能と価格面からGULLのワープがベターでしょう。
港の現地施設を使用
ダイビング当日は、港の現地施設を利用します。
この施設は筆者が利用したボートの専用施設でした。
その施設に貴重品以外の荷物を置いて、ボートに行きます。
ダイビング終了後は、その施設で器材を洗い、シャワーと着替えが終わったら、ショップへ戻ります。
器材をしっかり洗い干す時間はもちろん無く、軽く塩を落とす程度の器材洗い。
水切りも、そこそこって感じになります。
筆者が利用したショップには洗い場はないので、自宅でしっかり洗う必要があるでしょう。
今回利用したダイビングショップ
今回利用したダイビングショップは、神子元ダイバーズ。
インバウンドの受入れが多く、筆者がいた時もタイ、韓国、中国からのダイバーがいました。
宿泊施設も併用していおり、筆者は2食付きで宿泊。
夕食はスタッフ全員と食事するゲスト全員一緒にいただくスタイルでした。
夕食のクオリティは高く、毎日美味しく頂きました。


まとめ・感想
神子元といえば、潮の速さとハンマーヘッドシャーク。
そのイメージ通りの海が、今回はしっかり待っていてくれました。
今回は全てのダイブでハンマーに遭遇しました。
潮の具合に合わせてポイントを微調整してくれたガイドの判断にも助けられ、毎ダイブが見応えのある内容でした。
そして、今後と言うかいづれハンマーの遭遇率が下がる可能性があるとのこと。
8年間継続している黒潮の大蛇行が、そろそろ終わるのでは?と言うニュースがありました。
ショップの話によると、現在のハンマーの遭遇率は黒潮の大蛇行の恩恵だそうです。
従って大蛇行が終了すると、今のようにハンマーと遭遇しなくなるらしいのです。
毎回遭遇できるのも、この夏が最後になるのかもしれませんね。
おわり
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