和歌山県新宮市には「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の【神倉神社】【熊野速玉神社】【阿須賀神社】の3神社と他のエリアを結ぶ熊野古道、熊野川がある、神秘的なエリアです。
新宮市は、熊野大神が熊野三山(熊野速玉神社、熊野那智大社、熊野本宮大社)として祀られる以前に、一番最初に降臨された聖地です。
今回は2023年7月下旬、熊野三山発祥の地新宮市で、世界遺産【神倉神社】【熊野速玉神社】【阿須賀神社】をお参りした記事となります。
では、お参りしましょう
神倉神社
神倉神社 熊野大神降臨の地
神倉山にある神倉神社は熊野速玉神社の境外摂社ですが、熊野大神が最初に降臨され、熊野三山の起源となった場所となります。
熊野大神が降臨された場所が、現在のご神体「ゴトビキ岩」です。
現在、神倉神社には社殿がありますが、以前はありませんでした。
自然信仰時代の神倉山から別の場所に社殿を新しく建立し神々を祀った神社が、熊野三山の一つ熊野速玉神社となります。
従って、神倉神社を元宮(もとぐう)、熊野速玉神社を新宮(しんぐう)と呼び、現在の和歌山県新宮市の由来となっています。
崖に近い階段538段を上る
社殿のあるゴトビキ岩までは538段の階段を上ります。
それがただの階段ではなく、人によっては崖に近い角度に感じるでしょう。
参道入口の鳥居をくぐった直後は、まだ角度はゆるく、比較的歩きやすい階段です。
中腹から階段の並びが悪くなり、角度もきつくなります。
神社に階段はつきもので、筆者もいろんな階段を上りましたが、この階段が断トツにキツイ階段でした。
階段は下りの方が危険なので、注意してくださいね。
過酷な階段のご褒美は絶景
過酷な階段を上りきり、境内で社殿とゴトビキ岩までの階段を上ると、眼下に新宮市、その向こうに太平洋を望む絶景が待っています。
心地いい風で涼みながら望む絶景は、疲れを癒してくれるご褒美となりました。
御朱印
御朱印は通常と特別御朱印の2種類。
特別御朱印には熊野三山の元となる意味の「熊野三山元宮」と記されています。
境内に入る門は外開き
神倉神社のふもとで地元の方から聞いた話の紹介です。
神社仏閣の境内に入る門扉は内開きが一般的で、外開きは珍しいそうです。
理由としては、神社仏閣は外から招き入れると言う意味から門扉が内開きをになっているそうです。
例えば日本一の福男を選ぶ西宮神社を思い浮かべると、内開きの門扉が開き、男たちのダッシュが始まります。
つまり外から招き入れているということです。
それに対し神倉神社は熊野大神降臨した後、外の各所で祀られていることから、外へ出ると言う意味合いで外開きになっているそうです。
毎年2月6日に行われる火祭りである御燈祭(おとうまつり)も、境内に「上り子(あがりこ)」と呼ばれる参加者たちが松明を持って、あの急な階段を駆け下りていきます。
神倉神社から外へ出るということから、そのようになっているそうです。
宮司さんからの話でなく地元の方の話なので、正しいかどうかは不明ですが、「なるほどなぁ」と感じました。
駐車場
参拝者用無料駐車場有り
熊野速玉神社
神倉山から真新しい宮を造営して遷られた神社
熊野三所大神が神倉山のゴトビキ岩に降臨し、熊野信仰がはじまりました。
128年(第12代景行天皇58年)、現在の社地に熊野大神を祀る真新しい宮を造営され、それが現在の熊野速玉大社となります。
鳥居の形状は「両部鳥居」。
両部鳥居の国内最大は広島県厳島神社で、他には琵琶湖に浮かぶ滋賀県白髭神社などがあります。
両部鳥居は神仏習合のなごりらしく、いくつかある別名の一つが権現鳥居なのは、熊野権現からきているのかもしれません。
鮮やかな朱色の神門。
神門の扁額には「全国熊野神社総本宮」とあります。
神門をくぐると正面に拝殿があらわれます。
拝殿の後方左右には、熊野十二権現が祀られている大きい社殿が5連並んでいます。
参拝順序は決められておりませんが、筆者は最初に本殿を参拝し、その後五ヶ所の社殿を参拝しました。
樹齢約1000年 御神木「梛」
平安時代に熊野三山の造営奉行をしていた平清盛の嫡男である重盛が手植えしたものであるとされている「ご神木の梛」は、樹齢は約1000年です。
武蔵坊弁慶ゆかりの地
神宝館の前に武蔵坊弁慶の像があります。
弁慶の出自は速玉大神に仕えた熊野三党の一つ鈴木一族とされ、源平の戦いに出陣したと伝われています。
八咫烏神社
熊野速玉大社には境内、境外に末社・摂社がいくつかあり、八咫烏神社は末社の一つです。
神武天皇の道案内をし、熊野大神の使者とも言われて、交通安全招福の御神徳が高いとされています。
御朱印
御朱印は通常と特別御朱印の2種類。
特別御朱印には「全国熊野神社総本宮」と記載されています。
駐車場
参拝者用無料駐車場有り
阿須賀神社
2016年(平成28年)、世界遺産に追加登録
住宅街にひっそりとある阿須賀神社は、2016年(平成28年)に世界遺産に追加登録されました。
追加登録だからでしょうか?「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つという事は、あまり知られていない印象があります。
そのためでしょうか?参道の両端に「世界遺産熊野阿須賀神社」と記された幟が並びまくっていますw
案内板から、熊野三山とかなり距離が近い神社という事がわかります。
蓬莱山をバックにした社殿は、熊野速玉大社と同じような鮮やかな朱色がとても映えています。
筆者の参拝時には他の人おらず、世界遺産の神社でこれほど人がいないのは初めてでした。
おかげさまでゆっくり参拝することができました。
御朱印
駐車場
参拝者用無料駐車場有り
まとめ・感想
和歌山県新宮市はそれほど大きい町ではありませんが、世界遺産の構成資産となる神社が3つもあるのは、古代から何か神秘的な土地柄を表すのでしょう。
熊野三山という事で熊野速玉大社が目立ってしまいますが、人が少なくのんびり参拝できる神倉神社や阿須賀神社の方に、筆者は癒されました。
おわり
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